猫かぶりな君。
酷いよ…
その袋の中には雛が渡したマフィンだってあるのに…
「…だってさ、良く知らねぇやつが作ったやつなんて食えるわけないじゃん」
…最低……
こんな奴だと思わなかった…!好きになった私がバカだった…。
「…最低。」
「は?」
「最低だよ!皆一生懸命作って…勇気振り絞って隆也くんに渡したのに…!」
……私だって…………
私だって一生懸命作って…勇気振り絞って隆也くんに渡しに来たのに…
−ヤバい…
涙が溢れて止まらない…
私は咄嗟にマフィンの入った袋を隆也くんに差し出した。
「…全部食え!!……ばかっ!」
強引に袋を持たせると自分の鞄を持って逃げるように廊下に出た。