猫かぶりな君。
教室から走って玄関の靴箱によしかかった。
溢れてきた涙は止まりそうになくて。
“キーンコーンカーンコーン”
5時のチャイムが校内中に響き渡った−…
…そろそろ帰らないと……
鞄を持った瞬間。
何かが無いことに気付いた。
「…マフィンがない……」
…きっと教室に落として来たんだ……
どうせ持ってたって仕方ないし良いや…
そのまま静かな学校を後にした。
−これが私たちの始まりだったのかもしれない。