猫かぶりな君。
「…お前が言うなら俺はお前の秘密、皆の前でばらすよ?」
「……」
「まぁ、お前が言ったって誰も信じないだろーな」
言うなり隆也くんはさっき離した腕を再び取る。
…確かに……
私が隆也くんのことをばらしたって信じてくれる人となんて…−
「…わかった。言わないよ」
「…よかった。じゃあ学校でな、−真央」
「…え」
…いきなり呼び捨てで呼ぶなんて反則だよ。
心臓はうるさくて顔は耳まで熱が帯びているのが自分でもわかった。
隆也くんは微笑みながら学校に向かって歩き出した。
午前7時45分。
これが私たちの始まり−
そして−
秘密の契約−。
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