猫かぶりな君。
三章−貴方への想い
やっと落ち着き足を学校に向けて動かす。
「……」
さっきまでいた隆也くんの背中が見えないことに寂しさを覚える。
…それにしても……
せっかく早く家出てきたのにこれじゃあいつもとあんまり変わらないよ。
学校に着くなり教室に行くと隆也くんの姿があった。
「おはよ。真央ちゃん」
隆也くんはいつもの爽やかで優しく笑いながら近づいてくる。
……いつも通りに戻ってるし。
…さっきのが嘘みたいに感じるよ……
「…おはよ」
私が返事をすると満足そうに戻っていった。