猫かぶりな君。
なんでこんなことになっちゃったんだろ…
あの優しかった隆也くんは仮面をしていて。
あの日の放課後の…あの隆也くんが素顔……
…なんで猫かぶってるんだろ?
「あー…。わけわかんない!考えたってわかんないよ。」
…知りたいけど………
理由なんか聞いてどうすんのさ。
とにかく今はなんにも考えない方が−
「…ッ!!」
刹那の出来事だった。
足元を見ず天井を見ながら歩いているとそこに階段があるのを忘れていた。
…落ちる!!
キュッと目を瞑った瞬間−
「−おいっ!危なっ」
誰かのしっかりした腕が私の腰に触れ勢い良く引き寄せられる。