猫かぶりな君。
目を開くとそこには誰かの胸板があった。
「…危ないだろ!何してんだよ。」
「え…」
この声って…
もしやと思い見上げると−
「え、じゃないだろ。ちゃんと俺の質問に答えろよ」
隆也くんは呆れたような少し焦ってるような表情をしていた。
「ごごごごめん!!考え事してて…下見てなかった」
「…考え事って。廊下歩きながら考え事すんなよ」
隆也くんはため息を溢しながら私から少し離れ廊下に座った。
そして私を見ながら床を小さく指差した。
…座れってこと、だよね。
私は遠慮がちに隆也くんの隣に腰をおろした。