猫かぶりな君。
あるかな…
なかったら顧問に起こられるよ…すぐ切れるからなあ。
早く探さないと…
部室裏に行こうとした刹那−
“ガンッ”
壁を蹴るような音が響いた。
…え!?
今の音なに…?
………誰かいるのかな…
静かに歩いて部室裏を覗くとそこにいたのは−
「志賀くん…?こんなとこでどうしたの…?皆ストレッチやってるよ」
志賀くんはハッとしたように振り向いた。
その顔は驚いていたように見えた。
まぁ、いきなり話しかけたんだし驚くのは不思議じゃないよね。
「ホントに?教えてくれてサンキュー!」
ニコッと笑いながら皆の元に走っていく。
「…何してたんだろ」
…あ、それより今はボールだよ!
顧問に怒られるとか絶対嫌だし。
あった…!
見つかってよかったー
戻ろうとして振り返ると足が曲がっている古い椅子を見つけた。
「……まさかね」
志賀くんがこんなことするわけないよね。
誰かのシュートが外れたときに偶然ぶつかっただけ…だよね……?