【短編】空を見上げると…
陽菜らしい……。
こんな時まで自分の気持ち我慢してさ……。
陽菜が謝ることなんて一つもないのに……。
オレに怒って……最低な男だってオレを責めてくれればいいのに……。
でも、陽菜はそんなこと出来ない。
分かってる、分かってるけど……。
もっと、陽菜の気持ち、教えてくれなきゃ。
バカなオレは分かんないよ……。
「陽菜、ごめんな……」
オレは空の向こうに消えた陽菜をずっと見つめていた。