Diary
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『あおーげばーとおーとし…
わがーみのーおんー……』
大きな体育館に、
目一杯響き渡るあたしたちの歌声。
体育館の窓からは小鳥が覗き
後方には、可愛い後輩たちがいる。
「高嶋梨実」
『はい!』
綺麗に飾られた花の間を通りながら
3年間過ごしてきたこの場所を
隅々まで思い出す。
「卒業、おめでとう」
『ありがとうございます』
校長先生の声と共に
卒業証書を受けとる。
今にも閉じそうな目には
たくさんの優しさが込められていた。
証書をもらって前を見ると
後輩やタメの子から注目を浴びる。