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部屋の片隅ではシュラのポスターを持ってきたスタッフが彼に謝罪していた。
シュラはなんでもないように仕事を続けている。

「送信しましたぁ」

「あ、はい。・・・(あれ、画像がついてる・・・?)」

アリスより年下に見える彼女は呼ばれる声に答えて返事をした。

「あの・・・高月さんこれ・・・」

「私の下の名前は「実」っていうんです。同い年ですし、「みっちゃん」って呼んでください。」

彼女はにっこり笑ってアリスに言った。花柄で白いフリルの襟のセーターは彼女のイメージにとても合っていた。

「それは私からのプレゼントです。アリスさんみたいな美人さんと友達になれて嬉しいです。」

赤茶のショートヘアにふわふわのまつげ。彼女が笑うと文字通り花が咲くような明るさを感じる。
そして彼女はウインクをして付け加えた。

「でも、秘密・・・ですよ♪」

「はい。」

可愛らしい彼女の笑顔にアリスもまた、笑顔を返した。

日本でできた初めての友達は

「(プレゼントってなんだろう)」

彼女が立ち去った後、改めて携帯のメールを開いてみた。
そこには彼女が自分の携帯のカメラで撮ったと思われるシュラの画像が二つ添付されていた。
さっき皆で騒いでいたポスターの画像、そして事務所で盗撮したようなシュラの写真。
不機嫌そうに頬杖をつく彼の表情は素で、とてもプライベートな様子だった。

アリスは一瞬飛び出しそうになった心臓を抑えると、みっちゃんが去ったほうを見た。
彼女は何事もなかったようにいつもの笑顔でスタッフと仕事をしていた。

みっちゃん・・・・恐るべし・・・。

私に勝るとも劣らずの、シュラファンだった。

見破られちゃったのかな私・・・。
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