紅梅サドン
「ーー雪子お、今日の夕食は“ハンバーグ”って言ってたでしょう?

俺の分はあ~?青梅の施設まで次郎送ったからさあ、腹減ったよお。」

玄関先からルノーがズカズカと部屋に入って来た。

「お前、また来たのかよ。近いんだから帰れよバカ。」

「あ、秋ジイ、それ俺の分じゃあん。

ジジイのくせに、ハンバーグなんて油っこいもん食べるなよお。」

僕とルノーがハンバーグで言い争いをする中、雪子は静かに声を出した。

「秋さん、そしてルノーさんも聞いて下さい。

秋さんの夏期休暇の時で構いません。

お二人に付き合って頂きたい所があるんです。

福島まで私と一緒に来て頂けないでしょうかーー。お願い致します。」



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