紅梅サドン
青いギンガムチェック。

その少女っぽさをいつまでも醸し出して止まない、可愛らしさ満載の袋を僕は見つめた。

いよいよ面倒な話になった。

この女、正気か?家も無い、僕のウチに住まわせろ?

初対面で『住まわせろ』?自分の全財産を赤の他人に預ける?


逃げよう。
もう美人でも何でも無い。

恐ろしい猛獣だ。綺麗な顔した雪女だ。騙されねえぞ、コノヤロウ。しかし、何が目的だ?

もうどうでもいい。逃げよう。


僕の脳内装置がそう結論を出した。煙草を買いに立つ振りをして、そのまま上手く逃げよう。


ドアは入り口に一つ。

煙草の自販機はここを出てだいぶ遠くにあったのを思い出す。



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