紅梅サドン
七月後半の日曜日。
夏休みに入り、次郎が大きな荷物を抱えて施設から家にやって来た。
毎年の事かもしれないが、今年の夏もやはり暑い。
相変わらず冷房は壊れかけの怪音を響かせて、部屋の温度はあまり冷えては行かない。
窓から夏の太陽光が刺さってくる。
「ーー田辺さん、こないだお話したと思いますけど、八月の初めに、僕の友達が何人かこの家に遊びに来ますから。
宜しくお願い致します。」
雪子が近くにいると平然と『田辺さん』と呼ぶ次郎に、僕は冷ややかな視線を浴びせた。
夏休みに入り、次郎が大きな荷物を抱えて施設から家にやって来た。
毎年の事かもしれないが、今年の夏もやはり暑い。
相変わらず冷房は壊れかけの怪音を響かせて、部屋の温度はあまり冷えては行かない。
窓から夏の太陽光が刺さってくる。
「ーー田辺さん、こないだお話したと思いますけど、八月の初めに、僕の友達が何人かこの家に遊びに来ますから。
宜しくお願い致します。」
雪子が近くにいると平然と『田辺さん』と呼ぶ次郎に、僕は冷ややかな視線を浴びせた。