紅梅サドン
「『真澄ちゃん』って言うんだろ、ここに同棲してた彼女の名前。

こないだ郵便来てたよ。何かセールスのハガキだったけど。

まだ『真澄ちゃん』がここに住んでると思って、送られたんだろね。

俺、雪子より先に見つけたから、ピーンと来て隠して置いたよ。

空気読めるイケメンだろ、俺。」

ルノーはそう言って立ち上がると、食器棚の奥からそのハガキを取り出した。

華奢なその指にハガキを挟んで、ルノーは僕の目の前にズイッと差し出す。




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