紅梅サドン
「でかしたぞ、秋。
今日は出先からそのまま直帰して、待ってるからな!!。」

矢萩は足を踊らせてクライアント先へ出て行った。

何をでかした?
結局雪子の友達が目当てかーー。

『幸せはおすそ分けするもんだ』と矢萩は常々言っていた。

雪子といえば、朝から気合いを入れていた。

『秋さんの御友達に失礼があってはなりません!

私、頑張りますケド!』

何を頑張るのかよく理解できないが、雪子は朝からかなり嬉しそうだった。

色とりどりの洋服を並べては、何度も考え込んでいる。



< 190 / 311 >

この作品をシェア

pagetop