紅梅サドン
喫茶店の端に座る四人目は、僕に気づいたのか軽く手を振った。

「初めまして、私、牧野恭子ーーと言います。田辺 秋さんでしょ?

ルノーから事情は聞いてる。

よろしくね!。」


目が覚める様な赤い口紅も、そのぽってりとした大きな唇には違和感が無い。

髪は長い黒髪のストレート。

雪子と同じくらいの背丈だろうか。

高いヒールが細い脚首によく馴染んでいる。

その派手で高級感溢れる印象は、例えるなら雪子とは全く正反対の美人だった。


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