紅梅サドン
その名刺はまさかのーー黒。

そしてまさかのーー赤い文字。



高級SM倶楽部

『 サドンデス 』

朱愛 鏡
(しゅあい きょう)



恭子さんは上目使いでニコリと笑う。

「良かったら来て」

「ーー随分、素敵なーー店名ーーーですねえーーー。」

「私、指名ナンバーワンなのよ。愛する男とその弟くらい養えるわ。

だから『愛してる』ってルノーに伝えてね、田辺さん。」



ーー矢萩、ーー喜ぶのだろうか。


「ーーサドンはまだしも・・・デスは困るので僕はやめておきますーー。」


『プレイで死ねたら本望』とまでは思えない僕は、額にかきまくった汗を拭い、引きつった笑いを見せる事しか出来ずにいたーーー。



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