紅梅サドン
「恭子は美人だし、なかなかいい奴だったでしょ?

女王様だけどーー」

僕と雪子が深夜に飲み会から戻ると、ルノーはワイン片手にニヤリと笑っていた。

「え?ルノーさん、恭子さんは女王様なんですか!?

私知らなかったんですケド!

エステティシャンだとおっしゃっていたので。

女王様ってーーまさか??。」

さっき飲んだ酒のせいで、雪子の赤い頬が更に赤く染まる。

「ああ、稀なお仕事の方だけど、優しくて気の利くいい人だったよ。

またいつでもお前達に遊びに来てくれってさ。

お前みたいな奴を『大好きだ』って言うんだから。お前、恭子さんと結婚したらいいんじゃねえ?」


『女王様…』

雪子は何度もブツブツと呪文の様にそう唱えながら、酔っ払ってしまった体をフラフラとさせ、そのまま隣の部屋で眠ってしまった。




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