紅梅サドン
「それは、大人が嫌いだから官僚になるって事なのか?。

お前、サッカー好きなんだし、雑誌に取り上げられるくらい才能もあんだろ?

その道はどうすんだよーー?。」

次郎は、その僕の言葉に静かにつぶやいた。

「ーーサッカーは別に僕の夢じゃない。

僕の本当の望みはーー。



この世から“人間”が居なくなる事だよーー。」


「どういう意味だ?お前、そんなに人が嫌いなのか?。」

テーブルのワイングラスが、コトリと音を立てた。



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