紅梅サドン
あの兄弟は辛い想いを抱えていたはず。
両親が自殺してからの日々は、何度となく、取り囲む大人達にその短い人生を翻弄されたのだろう。
それは息子達を残して自殺した、自身の『両親』も含めたーーー大人達なのだ。
ルノーは両親が自殺した時、14歳。
想像出来ない位に辛かっただろうが、少しづつ事実を受け止める事は、まだ出来たのだろう。
言い換えれば、幼すぎる『次郎』のために耐える力があったーーと言えるのかも知れない。
しかし次郎は違う。
二歳にして、意味も理解出来ないまま、一番身近な大人を失い、まだ不完全で純粋な心に深い傷を負った。
幼すぎる心が、本能的に大人を拒否してしまう様になるのは当然かも知れない。
次郎にとって『大人』という生き物は、どこまでも裏切り続け、自分を果てしなく傷つける『人間』ーーなのだ。
『人間がこの世から消えてしまえば良いーー』と云う、次郎の幼い傷ついた魂が僕を何度も揺さぶっていた。
両親が自殺してからの日々は、何度となく、取り囲む大人達にその短い人生を翻弄されたのだろう。
それは息子達を残して自殺した、自身の『両親』も含めたーーー大人達なのだ。
ルノーは両親が自殺した時、14歳。
想像出来ない位に辛かっただろうが、少しづつ事実を受け止める事は、まだ出来たのだろう。
言い換えれば、幼すぎる『次郎』のために耐える力があったーーと言えるのかも知れない。
しかし次郎は違う。
二歳にして、意味も理解出来ないまま、一番身近な大人を失い、まだ不完全で純粋な心に深い傷を負った。
幼すぎる心が、本能的に大人を拒否してしまう様になるのは当然かも知れない。
次郎にとって『大人』という生き物は、どこまでも裏切り続け、自分を果てしなく傷つける『人間』ーーなのだ。
『人間がこの世から消えてしまえば良いーー』と云う、次郎の幼い傷ついた魂が僕を何度も揺さぶっていた。