紅梅サドン
その一週間後の土曜日、家に次郎の友達がやって来る日がきた。

朝から雪子は、ルノーに手伝いをさせて大きなケーキを作っている。

「レアチーズ、レアチーズ!!やっぱりケーキはレアチーズだねえ。」

ルノーは出来上がったケーキを見て、喜び勇んでいる。


しかしーー次郎はと言えば、朝から落ち着かない様子で顔色も良くない。

雪子が何度となく心配して声を掛けるのだが、『何でも無いよ』と微笑んで答えるだけだった。




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