紅梅サドン
「ハハハ、オジサン!!嘘付くの超下手クソだね。

顔も全然似てないしさあ、有り得ないよ!嘘なら嘘って認めれば?

オジサンも海島も」

三人の少年の言葉に次郎は下を向いている。

その中で一番背の高い少年が、口を開いた。


「帰ろうぜ、もう。

わざわざ大事な夏期講習サボって世田谷まで来たのに。

海島のせいで、一日損したあ。

あんまり海島が強く言うからよお、来ちゃったじゃん。

お前、少し位『サッカーが上手い』とか周りに言われてよ、こないだ雑誌に載ったりしてさ、調子乗ってんだろ?


つまんねー嘘つきやがって、お前、最低だな。クズ。」


僕はその言葉に一瞬で我を忘れた。

例えるなら、擦り上げたマッチにスッと炎が乗り移る様に。

気が付くと僕は少年達に、大声を上げていた。




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