紅梅サドン
「もしも兄ちゃんの“女”とかが部屋に来たりしたら、超面倒臭いじゃん!
ハハハ。

兄ちゃん達がイチャイチャする度に外出すんの大変だもん。

だから僕は今のままで充分だよ。

兄ちゃんが元気ならいいんだ。

これでもう、兄ちゃんに会えなくなる訳じゃないしね。」


「次郎は、俺の里親が寂しがると思って気を使ってんだ。」

ルノーがそう言ったが、次郎は笑っているだけだった。


相変わらずの低い冷房の怪音が、黙り込んだ僕達三人を包んでいた。



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