白球を追いかけて

最後の大会〜後〜

「何やってんだよ。聡美。」


「見てわかんないの?グローブ磨いてんの。」


「何で磨いてんだよ。もしかして、野球やんのか?」


「御名答!あたしは来週から野球やるの。小学校のチームにはいるんだ♪」


「はぁ!?やめとけよ。」


「何で?」


「お前運動オンチだし、それに…」


「それに?」


「お兄さんみたいになったら、どうすんだよ!?二度と歩けなくなっちまうかも知れないんだぞ!!」


「竜也には関係ないじゃん!竜也にはそこまで言われる筋合い無いよ!」


「俺はお前を心配してやってんだよ!」


「あたしには目的があるの。」


「目的…?」


「そう。あたしはお兄ちゃんのために甲子園に行くの。」


「どうしても?」


「うん。」


「じゃぁ、俺も一緒に野球やる。」


「ええ!!」


「だから、野球やるってんだよ。お前一人じゃ心配だから。」
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