白球を追いかけて
「これは俺の問題だから、後は俺がやる。柚宇のとこにいてくれ。」



出来るだけ優しい声で言った。




「お前、かわいそうな奴だな。ひいきじゃないとエースになれないだなんて。
言っておくが、俺はどんなことがあってもマウンドからは降りない。
おまえとは違って、目標があるから。」



「…目標だと?」



「聡美を甲子園に連れて行く。どんな事があっても。」



「ははははっ(笑)そんなこと無理に決まっている!!おまえは言ったな!?どんな事があってもマウンドを降りない‥と。そんないじがいつまで続くかな?」



田辺は走り去った。



ひとまず一安心。
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