白球を追いかけて
「竜也…やいてんの?大…」
大地って言おうとした瞬間、口をふさがれた。
「ほかの男の事なんて、考えてんなよ…」
「ごめんね…?」
竜也は手を止めて、あたしの隣に座った。
「いや、俺もわりぃ。ついヤキモチっつーか…なんだか、うまく言えねぇ。」
「ううん、うれしかったよ。ねぇ大地君はこれからバッテリー組むから、呼び捨てでも良い?」
竜也が一瞬戸惑った顔をした。
「聡美が呼びたいなら、別に俺はかまわない。でも、俺があいつとバッテリーを組んだとしても、何も関係ない。」
変わってない…
人間不信のまま。
高校ではきっと通用しない。
「そっか…竜也は竜也らしくね?」
「おう!わかった。」
竜也が仲間信じて投げられる日はいつになるんだろう。