白球を追いかけて
《聡美》



竜也が倒れたって聞いて、保健室に向かう。



ガララ…



「竜也…」



ベッドのところにいたのは、大地だった。



「大地、そばにいてくれたんだ。」


「当たり前じゃん。俺こいつの捕手なんだから。」


あたしは大地を見て、きっと大地なら竜也を変えてくれるって思った。


「それにしても竜也って、なんでひねくれてんだ?」


「知りたい?その理由。」










大地は驚いた顔をしてた。


「そんな事があったんだ…苦労してんだ、こいつも聡美も。」


「大地には、竜也の人間不信が直せると思う。長いつきあいになると思うし、たくさん苦労すると思うけど、よろしくね。」


「わかった。それにしても竜也って困った奴だよなぁ。雨にも気づかないんだよ。」


くすくす笑う、大地。


「目が覚めたら、俺がおぶっていくよ。」


「ありがとね、大地。」


「まぁ、お隣さんって事で(笑)」


良かった…竜也には最高のパートナーができたよ。
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