白球を追いかけて
「…お前、泣いてんのか?」




聡美の目にはたくさんの涙があふれていた。




「あたしぃ…男の子がよかったぁ…」





涙があふれてこぼれ落ちた。




誰だよ。聡美を泣かせた奴。





「お前が女に生まれたってことは、何かやるべきことがあったんだろ。」




ちくしょう。


いい言葉がみつかんねぇ。




「…ぇぐ、あ、あたしぃ、ずっと野球やってたいよぉ…中学でも高校でも…」



もう本気で泣き出していた。




「できんだろ。入部すれば。」




つい冷たい言葉がでる。




「できないもん…女の子だから。」





「んなの関係ねぇよ!今のお前だって十分やれてんじゃんよ。」




「違うもん…甲子園に行きたいんだもん。」






甲子園……
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