白球を追いかけて
納得のいかないピッチングが終わって、帰る支度をしようと部室に向かう。




…グローブをグラウンドに忘れた。



とりあえず顔だけ洗って忘れ物を取りに行った。




――ブンッ


――ブンッ




素振りの音。



大地だ‥



あいつ、努力してんだ。



野球は打てなきゃ勝てない。



明日の相手は、このチームでのエースがいるチーム。




俺は邪魔しちゃ悪いと思ってグローブを持って帰ろうと思った。



「竜也!ちょっと待てよ。」



大地が呼び止めた。



「何…?」


素直になれ、素直になるんだ自分!



大地がこっちに駆け寄ってきた。
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