白球を追いかけて
「時間、あるか?」



「練習中だったんじゃないのか?」



「それは大丈夫さ。おまえが来るのを待っていたから。」



「待っていた?」



「ああ。グローブを忘れたなんてお見通しだ。」



はははっと笑うと、さっと片づけて近くの土管のようなものに座った。




「明日の試合の前に、話しておきたいことがあるんだ。」





空にはたくさんの星がでていて、僕らを眺めているようだった。



それから大地はゆっくり話し始めた。
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