届くといいな。
「はづき~!早くしないと始まるって!急げ!」
これでも必死に走っている私を見て、もっと急げと言わんばかりに睨みこのセリフ。
急ぎすぎて階段でコケそうになった私に、今まさに大笑いしている彼女は
黒木綾(クロキ アヤ)
大学1年から一緒にいる私の親友である。
そんな綾の笑い声をよそに顔が真っ赤に染まりながらもなんとか授業に間に合い、先輩たちを囲むかたちで見学の2年生は座らされた。
今回の見学で4人目の先生になる。
楽で有名な先生。
1年生の時にお世話になった先生。
興味のある内容。
そして今回は就職率が良い…らしい。
これは綾が先輩たちから聞いた情報で、確か…らしい。w
内容は経営学の戦略論についてである。
内容は良くわからないし、
先生は厳しいと有名。
心の中で「絶対なし!」
そう言い放った直後のこと。
「お前どう思う?」
先生がひとりのゼミ生に話かける。
「あ、これは....................」
最後にでよよくわかりませーんっとふざけた仕草をしたその彼を私は食い入るように見た。
あの顔どこかで…どこかで見たような…。
「綾、あの人見たことない?」
「え~見たことないけどなー?なんで?気になった?」ニヤ
「ちちちちち違うよ!なんか見覚えがあって。」
「ふーん。まあイケメンだわね。身長高そうだし、はづきの好きそーなタイプね~まああたしは、パスだわ。」
「う、うん。って違うてば!もう、綾!」
その後も気になりつつもその先輩を気にしながら授業は進んでいった。
そして授業内容なんて頭に入らないまま、
キーンコーンカーンコーン
授業が終わる合図と同時に先生が授業を終わらせた。