お嬢様も楽じゃない!!
だっておかしいでしょ?
突然今日たたき起こされて婚約者だなんて。



お母さんが泣くことを覚悟しながら睨みを効かせているとお母さんを見ていたはずなのに隣からの啜り泣く声がするのに冷や汗が出た



「みちるちゃんは私の息子が嫌い?私の娘になる気はない?」



泣いたのは幹瀬婦人



うるうると大きな瞳が揺れる



ど、どうしよう!
お母さんが泣くことは想像してたけど幹瀬婦人を泣かせちゃうなんて!



だからあたしは慌ててとっさに言ってしまった



「―――な、なります!だから泣かないで下さい」



それでも大粒の涙を落とす婦人にポッケに入っているハンカチを取り出し拭いた



「じゃあ、決定だな」



その瞬間。後ろから聞こえる声に絶望を覚えながら



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