お嬢様も楽じゃない!!
そのあとは酷かった



いきなり鍵を渡されたかと思うと部屋の荷物を全てまとめられマンションに押し込められ、「今日からここが新居よぉ」と言われ帰っていってしまったのだ



「なんで……?」



隣では自分の部屋に段ボールを悠然と運ぶ男



「『なんで』って、そのほうが面白いからだろ?」



あぁ、イライラする
なんでコイツはこんなに順応性があるのだろうか



「質問の答えになってないわ。それに何が面白い訳?あたしにとっては悪夢でしかないの」



あと、お願いだから一回その整い過ぎた顔殴らせろ。



拳を握り締め狙いを定める



「あのさ、諦めて俺のモンになれば?もぅお前は逃げられないんだし」



よいしょと、最後の段ボールを部屋に運び込むと悠さんは次にあたしの荷物を運んでいた



それを殴るのはあまりにも自分が卑怯な気がして拳の力を抜く
< 38 / 41 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop