お嬢様も楽じゃない!!
「お嬢さま、お嬢さま!皐月はこちらです」



一斉に何百人もの人通れる正門を一人通り過ぎれば若い男が笑顔で泣くという高度な技を使いながら走ってくる



やっぱり来たかヘタレ執事。
どこに泣く要素と笑顔になる要素があったのか疑問を持ちながらもっと泣かせてしまおうかとも考えたがあまりにも必死な姿にまたため息が出た



これであたしの幸せが逃げたらどうしてくれんのよ



「いつも言ってるはずよ……あたしには車はいいと」



感情の入ってない言葉に一瞬怯んだ皐月は「だって、でも」を繰り返した



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