アイ・ラブ・おデブ【完結】
マリーとデートを重ねるようになったのは寒い冬の季節だった

マリーは肩の下まであるブロンドがふわりと揺れる小動物を思わせる大人しい女性だった

小さな事務所で働いていて、週末に何度か二人きりで会った

いつも泣きそうな表情をしていて何かに怯えているような印象を受けた

そんなマリーとも自然に深い仲へとなっていった

それから少しの間、穏やかな時間が流れていった
しかし、穏やかな時間はそう長くは続かなかった
マリーは遥の行動を束縛し始めたのだ

夜の電話が遅くなれば怒り、新しい服を買えば誰とのデート用だと喚きハサミを入れた

そのうちに店の前で仕事が終わるのを待ち伏せたり、店の同僚に遥の事をしつこく聞いて回ったりした
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