アイ・ラブ・おデブ【完結】
「よく考えた方がいいわ
大切な人を守る方法を…
傍にいれば…守ることができるのかしら?
…あなたがすべき事は何?

ねえ…遥…私が怪我をして夢を諦めた時になんて言ったのか覚えている?
"できることは何でもする"そう言ったのよ
あなたに出来ることは何かしら?
もし…私の傍にいないなら…
もう一度、あのステージに立たせて頂戴!
幼い時から夢に見た…あのステージに!」

環の目には強い復讐の炎が燃え上がり遥に向けられていた

…環…夢を打ち砕いた僕を許してはいなかったんだね…
仕返しが出来る時を待っていたんだね…
ここで…僕が日本に帰ったら…
どこまでも追いかけてくる…
いや…さあやにその復讐の刃を向けるつもりだね…
それだけは…させない…
たとえ、傍にいられなくてもさあやを守る…

きつく拳を握りしめ、遥は目を閉じ深く息を吸い込んだ

「………」

「やっと理解をしてくれたのね!
ミシェル!遥を部屋に案内して」

その華奢な指で、長く艶やかな髪をかき上げて微笑みながら言った

この日から遥の心は閉ざされ、深い闇の奥底へと沈みこんでいった
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