アイ・ラブ・おデブ【完結】
「…どうしてお前が責任を取らなきゃいけないんだ?
お前が怪我をさせたわけじゃないだろ
それに当時も傍にいたんだろ…
もう責任とか償いとか…そんなのは考えなくてもいいんじゃないか?
俺はそんな理由じゃ納得できない」

「…マサ…
じゃあ…はっきり言うよ…
向こうで任せられる店の方が魅力的だからだ!
東京の片隅で近所のオバチャン相手にしているのとは規模が違う
これから任せられる店は…
世界が相手なんだ
客層もセレブと呼ばれる人達相手に料理が作れるんだ
どちらを選ぶかなんて…決まっているだろ?」

用意してきた言葉をすらすらと口にした

こんな事は思ったことは一度だってない

むしろ、舌の肥えたセレブなんか相手にしたくもない…

普通の人達が笑顔になれるような料理を作り続けたい

もちろんマサが納得するなんて考えてもいないが、それらしい理由を並べなければいけないから考えてきたんだ

「遥!こっちを見ろ!
そんな理由を信じると思っているのか!
ふざけるな!」

怒りの爆発したマサが遥の手にした雑誌を床に叩きつけた

その時、背後から愛しい人の声が聞こえた
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