アイ・ラブ・おデブ【完結】
しばらく答えを待つが一向に返事がない

「ちゃんと聞かせて…
ハルの気持ち…
あたし…ハルに出逢えて…恋人になれて幸せ…
でも、ハルの幸せがここにないなら…」

こぼれ落ちそうな涙を必死に堪えて震える声で伝えた

精一杯の言葉にも振り返らず黙っている

今日は冷静に話したいと押しかけてきた小夜の中で、悪魔が囁きネガティブになっていく

「…もうあたしとは話もしたくない?
やっぱり…あんなに美しい人には敵わないよね
環さんをそんなに好き…」

思わず口にした気持ちに遥が反応を見せた

目の前の硝子をバンと手のひらで叩き、肩で呼吸をしている

「………」

硝子に触れている手は固く握られていき、僅かに震えているように見える

「ご…ごめん…怒らすつもりはないの…
ねぇお願い…
ハルの気持ちを教えて?
あたしのこと…嫌いになった?
そうなら…ちゃんと聞かせて…
苦しいけど…悲しいけど…
…きっと受け止めるから…
教えて…」

堪えていた涙が溢れて頬を伝い、鼻水をすすり上げる

静かな部屋にズズッと色気のないその音が響く

…駄目…泣いてる場合じゃない…
泣いたらハルを困らすだけだ…

手の甲でゴシゴシと涙を拭い、一歩遥に近づいた
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