アイ・ラブ・おデブ【完結】
「え~っとそれじゃあ…
明日は私と一緒に行きませんか?
関係者に話を聞きに行きましょう」

慎太郎は地図を広げ、少し遠いけど…と呟いている

パリで待つことばかりを考えていたが、慎太郎のいう関係者に会ってみるのも遥を理解するのには必要と思えた

次の日、小夜と慎太郎は早起きをして田舎道を走る車の中にいた

予定では片道4時間近くかかるらしい

眠っていてもいいとドライバーである慎太郎は言ってくれたが、そんな気持ちにはなれない

「ねえ慎太郎さん…
そのマリーさんは話をしてくれるのかしら?
裁判の時は証言も出来ないような状態だったのでしょう?」

「そうですね…私の知り得た情報では大分回復していると聞いてます
けれど…病気が病気ですから…
会ってみるまではどうなるのかは…」

今から訪ねようとしているのは、環に怪我をさせたあのマリーだった

パリから離れた田舎の施設にいるらしい

どうやってマリーの事を調べたのかは分からないが、こうやって会いに行く価値があるほどに回復しているらしい

初対面の小夜達に事件の真相を話すとは思えないが、小さな糸口でも見つけたい

藁をも掴む心境だった
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