アイ・ラブ・おデブ【完結】
勝手に外になんて連れ出して良いのか分からないが、窓から見える自然の中をマリーと歩きたくなったのだ

小夜の気持ちに応えるようにマリーは手を握られたままゆっくりと立ち上がった

どこから出ようかと迷っているとマリーが先に歩きだし、テラスのような場所に連れてきてくれた

鍵は開いており、利用者が自由に出入りすることを示唆していた

窓から見えた大きな木の向こうは、手入れのされた芝生と花壇が続いていた

森のように大きな木々が周りを囲み広い公園のようになっている

花壇の間をゆっくりと歩く…ただそれだけなのだが、小夜にとって久しぶりの穏やかな時間が心地好かった

下を向き、無表情のマリーも小夜が掴んでいる手を握り返してくれ、この散歩を心地好く思ってくれたと感じた

再び慎太郎の元に帰ると職員と何か話をしていた

「さあ戻りましょうか」

マリーにも挨拶をしてそこを後にした
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