アイ・ラブ・おデブ【完結】
遥ではなく環が出てくることも想定していた筈だが、実際に目の当たりにすると身体が動けなくなってしまった

…情けない…ここまで来て怖じ気づくなんて…
ただそこを歩いているだけなのに…あのオーラ…
由美子さんがいう"魔王"ってのも納得ね
あたしが対峙するレベルではないのかも…

どんよりとした厚い雲に覆われた空を見上げた

「小夜~!乗って、乗って!!」

慎太郎の運転する車の窓から由美子が身を乗り出して手招きしている

…由美子さん…来てくれてありがとう

頭上の空と同じように今にも泣き出してしまいそうな気持ちになった

「あのね、トニーの所に手紙がきたの
あのマリーって人から…
一緒に何て書かれているのか読みに行こう!」

あの日何も話さなかったマリー

いったい何が書かれているのだろうか?

期待よりも恐怖の方が強い

今日は休みにしているトニーの店へと急いだ
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