アイ・ラブ・おデブ【完結】
金色に光る髪を一つに後ろで纏め、きつい印象をした五十路の女など誰も関わりたくないという印象だろう

メイドとして愛想を振り撒いたり、色気を出すことなく雇い主が快適に過ごせるように影となりサポートするのが最も大切だ
…とミーシャは考えている

冷たい返事に困ったような顔を見せる小夜の前を頭を下げ離れた

「ちょっと待って!
こちらに笹原遥さんが滞在しているのは知っています
少しお話をするために来ました
いないのなら…また来ます」

もう一人の訪問者…慎太郎が落ち着いた声色ではっきりとそう告げた

そして、二人の訪問者は静かに出ていった

…ふぅ~あの男性は?…まあ後で訪問者リストが来れば分かることだ
しかし…あの男を取り戻しに来たのだろうか?
環様が手放す筈もないのに…
また来るなんて…
無駄足…というよりも…
蜘蛛の巣に飛び込むひ弱な蝶ね
何も出来ずにただ藻掻くだけ…
藻掻けば藻掻くほど蜘蛛の手の中に堕ちるだけ

冷酷で策士の女主人を思い浮かべた
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