アイ・ラブ・おデブ【完結】
頼みの綱
今日でラスト…もう残された時間は夜のフライトまでしかない

昨日の張り込みも空振り…
慎太郎と再び訪ねたのだが、留守だった

慎太郎が何処からか仕入れてきた情報によれば、インドからフランスへ戻ってきているらしい

その後の足取りは掴めていない

もしも、今日会えなければ数時間後には飛行機の中にいなければならない

明日からは会社…元の日常に戻る

今後のことをどうするかなんて考えていない

遠く離れた日本から出来ることなど皆無に等しい

また会いに来るのか…
別れの言葉を受け入れるのか…
今はまだ考えられない…考えたくない

焦りの中で入り口に目を向けると、あの金髪メイド…ミーシャが買い物へ出かける所だった

歩道まで来たところで声をかけた

「ミーシャさん!あの…遥さんはちゃんとご飯を食べていますか?
眠れていますか?」

こんな質問に答えてくれるはずもなく、一瞥して無表情のまま歩き出そうとしている

「あのお願いです!
一つだけ…」
< 1,300 / 1,499 >

この作品をシェア

pagetop