アイ・ラブ・おデブ【完結】
陥落
その日の昼過ぎ、環のマネージャー…ブノワが一人で訪ねてきた

「笹原さん…少しお話をよろしいですか?」

僅かに英語訛りのあるフランス語で話しかけてきた

何度も会ったことがあるが、神経質そうな話し方をする男だ

ダイニングテーブルに向かい合って座り、大きく息を吐いてから話しだした

「しばらく、ここから出ないでもらいたい
食事や必要な物はミーシャが用意します」

少しイラついているのか、しきりにテーブルを指先でコツコツと叩いている

「…どうして、そんな指図を?」

理由も無しに軟禁されるなど受け入れられない
よく考えれば今の状況も変わらないものなのだが…

「なぜって…フッ…」

ブノワも同じように考えているのか、鼻で笑いながら呟いた
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