アイ・ラブ・おデブ【完結】
次の日の朝、多弁な環とは対照的に黙黙と食事をしている遥がいた

「もうすぐブノワが来るわ
遥の荷物はあれだけかしら?
残りは引っ越しの荷物と一緒に送ってもらえるから!」

連日の報道に打ちのめされることなく、この大輪の薔薇は咲き続けている

やはり一筋縄ではいかないようである

ミーシャは食事の片付けをしながら、環のたくましさに敬服していた

そこに来客を告げる呼び出し音が鳴り響いた

コンシェルジュは意外な人物の来訪を告げた

余程、慌てている様子だが主人の了承を得なければ迎えることはできない

機嫌の良い環は、来客を通すように許可した

「まあ、あの人に会うのもこれで最後でしょう…
今さらどんな用事があって来るのかしら?」

そんな事を呟きながらも美しい女優の顔を崩さずにいた
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