アイ・ラブ・おデブ【完結】
昼間だが日差しの届かぬ寒い食堂に、ジョエルと向かい合って座った

まだ食事には早い時間の今は二人の他に誰もいない

…母さん…いったい何があったの?
あの洋服…あの発言…あの目付き…
私の知っている母さんじゃない…

いつの間にかテーブルの上には缶コーヒーが置いてある

普段ならこんな安っぽい物など見るのも嫌だが、今は自然と手が延びた

手から伝わる温もりが、環に冷静さを取り戻させた

「あれは何?
母さんにあんな服を着せたり…
騒がせたり…
嫌がらせか何かなの?」

まだ目の前の女王は状況を理解していなかった…信じていなかった

ジョエルは悲しそうな表情で環を真っ直ぐに見た

「環さん…まだそんな事を言っているのですか?
その目で見たでしょう?
お母さんはご病気なんです…
痴呆症です」

…えぇ?痴呆…症…
まさか…あの母さんが…
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