アイ・ラブ・おデブ【完結】
「もしもし…
マサさん…
こんな夜分にごめんなさい…
あの…それが…」

今夜、耳にした女将の言葉をマサに聞いてもらった

電話で冷静に話しても、にわかには信じ難いと思える

「やっぱり…見間違いですよね?
パリであんなに大変な時期に…
日本にいる筈がないですよね…」

段々と声のトーンが落ちてきた小夜を元気付けるように、マサは明るく言った

「う~ん…本当かどうかは分からないけど…
俺も調べてみるよ!
マンションも引き払っているから…難しいかもしれないけど…
やれることはしてみるよ!」

…そうだ…自分のできる事をするだけだ

その夜は久しぶりに笑顔の遥の夢を見た

一緒に自転車で河原を走っていた

どこまでもどこまでも…二人で風を切って走り続けていた
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