アイ・ラブ・おデブ【完結】
遥の押した呼び鈴に中から出てきたのは、この普通の日本の家屋に不似合いなジョエルだ

まるで我が家のように遥を招き入れ、殺風景なリビングに招き入れた

その陽当たりの良い縁側に背中を丸めて小さくなっている女性がいた

…た…環なのか?

二人の近付く足音にゆっくりと顔を上げた

ほとんど化粧をしていない肌に無造作に纏めた髪、着ている服は量販店のパーカーとジーンズという出で立ちだ

「環さん…遥さんが来ました
あなたからちゃんと話をしましょ」

そう発音のおかしな日本語で言い、用意していたペットボトルを傍らに置いた

遥は環の様子に驚きながらもその隣へと腰を下ろした

暫く、狭い庭を無言で眺めていたが一口お茶を含んだ後に環が力なく話し出した

「私…遥に…謝るわ…
これまでのこと…本当に…ごめんなさい」

傍にいる遥にやっと聞こえるのかというほどに小さな声だった

…あの環が…謝る?嘘だろ…
いったい…何が彼女を変えたんだ?
…ジョエルか?
だが…どうやって…
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