アイ・ラブ・おデブ【完結】
どうにも理解も納得のいかぬまま、目の前の抜け殻のような環を見つめた

頭の中では先程の到底、信じられぬ言葉とこれまでの思いがぐるぐると回る

…間違いだったと言っていたが…それは…僕の方だ
環の言うがままに振り回されて…
怪我をしたときも…今回もだ
大切な物を守るために、本当にこの選択が正しかったといえるのか?
守るどころか…悲しみに突き落としたのは…
環に本気でぶつかりもしないで…

あれこれと考えていたので、知らない内に眉間に力が入っていたようだ

「遥さん…あなたが怒るの当然
でも、環さんもそれに合う傷みを知った…傷ついた…
日本にいた父を亡くした…
母も…重い病気
もう娘と分からない…
これまで母の期待に応えるために頑張ってきたのに…
環を包む二人はもういない
これは環の罰…重い十字架…
取り返せないことをした
…これで許してもらえる筈はないが…何もない環さんをどうすることもできない」

いつの間にか二人の近くに立っていたジョエルが、見下ろしながらそう言った
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