アイ・ラブ・おデブ【完結】
俺様キャラを捨てた慎太郎が元の笑顔で穏やかに話した

「小夜さん…申し訳ありませんでした
あなたを利用…いや騙したりして…すみません
今度発売される新作は、私にとって重要な物になります
これまでのシリーズがあまりにも巨大化してしまい…
そこから脱却するためには、新作は失敗することを許されません…
あなたが次の作品で、大切な存在というのは本当のことです
だって小夜さんがモデルなんです
出版を楽しみにしていてくださいね!
さあ…帰りましょうか
私も疲れました
慣れないことはするもんじゃありませんね」

やりきった充実感を味わうように腕を伸ばし、う~んと唸りながら体をほぐしている

…え~っと…小説のモデルにあたしを?
だから宣伝のために今日は一緒にいたの?
う~…分かったような…分からないような…
理解できないけど…納得もできないけど…
パリまで応援に来てくれた慎太郎さんだ…
あの時は随分と助かった
だから、今回は…

「分かりました…
でも、この次は…ちゃんと事前に相談をしてくださいね
あたし、お腹が空きました
何か食べましょ!」

慎太郎の説明に納得は出来ないが、過ぎてしまったことを責めても仕方がない

嫌なら慎太郎の腕を振り払い、会場を後にすることだってできた筈なのだ

控え室を後にして、由美子とロビーで合流すると3人でリームの店に寄ってから帰宅した
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